OECDの調査によると若い世代が中流階級に到達するのは益々難しくなっている。ここでの中流階級とは、国内収入中央値の75%から200%までを含む。
「政府は中流階級の不安点を聞き入れ、彼らの生活の質を向上させ保護する必要がある。それが出来れば、経済成長を押し進め安定した団結力のある社会網を構築できる。」
OECDによるとチリの中流階級は全世帯数の47%であり、約半数となる。収入は国内収入中央値783,033clp (約132,000円)の75%から200%の587,274clp(約99,000円)から1,566,066clp(263,300円)が最も多い金額となっている。OECD加盟国36カ国の中流階級の割合は61%であり、チリは低めとなる。
OECD加盟国内で中流階級が減少した理由として以下の点が挙げられている。
・インフレよりも早いスピードでの生活コストの上昇。コストで最も高いのが賃貸で2005年の27%から10年後には32%に上がっている。チリの場合は余り上昇せず25%から27%へと、2%の上昇に止まる。住宅コストを減らす為には、手に入れやすい物件を増加させ、公共サービスの質の上昇に関する政策が求められる。
・不安定な仕事。中流階級の6人に1人が自動化リスクの高い職に就いており、下流階級では5人に1人、上流階級では10人に1人となっている。チリの場合は、中流階級の25%、下流階級の27%、上流階級の15%が自動化リスクの高い仕事に就いており、その割合はOECDの平均割合よりも高い。
OECDの調査結果に対して、チリの場合収入の格差が大きいため、平均値で見るとばらつきが少なく見えると指摘されている。
2017年のチリの収入に関する調査報告には、月額200,000clp(約34,000円)から300,000clp(500,500円)を受け取ってる人が全体の18,1%と元も多く、1,000,000clp(約168,000円)を越してる人は12,2%、3,000,000clp(約500,000円)は僅か1,5%と記されている。
これだけ差があるため、平均値を出すとそれなりの収入を得ている層が多い様に見えてしまう。また調査には、家族数が含まれていないため実際に自由になる金額も異なってくる。例えば、収入の中央値である783033clp (約132000円)で見ると、1人世帯、2人、3人、増加するにつれて生活の質には大きな差が出てくる。
国策である、住宅提供や購入資金への援助の申請なども中流階級はアクセスしにくくなっているため、政策の見直しを求める声が以前から上がっている。ピニェラ政権は中流階級への支援を改善するというマニフェストを掲げていたが、現状では目立った変化は見られない。
情報元:https://digital.elmercurio.com/2019/04/11/B/203IU6AD#zoom=page-width
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